ルクセンブルク
Grand Duchy of Luxembourg
1人当たりのGDPが世界で一番高い国
世界一豊かな国と言えば、GDP上位の国が挙げらます。
【国内総生産(GDP)】 1位 アメリカ → $17兆3480億 2位 中国 → $10兆3565億 3位 日本 → $4兆6023億 70位 ルクセンブルク → $656億
2014年の名目GDP(USドル)ランキングより
しかし、人口が多い国は自然とGDPが上がりますよね。
そこで、これを一人当たりのGDPで考えた場合、順位は大きく変わります。
【一人当たりのGDP】
アメリカ → $54,369(世界11位)
中国 → $7,571 (世界80位)
日本 → $36,221(世界27位)
ルクセンブルク → $119,487(世界1位)
一人当たりの名目GDP(USドル)ランキングより
世界で最も豊かな国はルクセンブルクになります。
では、なんでヨーロッパの小国ルクセンブルクが世界1位なのか?
ずばり、国民の多くが儲かる仕事に就いているからなのです。
儲かる仕事とは、金融業。
ルクセンブルクはかつて鉄鋼や化学といった重工業を中心とした工業国でしたが、現在では銀行業や金融サービスを中心とした金融大国となっています。
今の時代、実際の商品の取引で動くお金の量よりも、数値上の争いである金融取引で動かされるお金の量の方が遙かに上回っています。
商品を売買する利益よりもマネーゲームの方が遙かに大きな投資対象となっており、製造業の勝ち負けではなく金融市場の勝ち負けが、その国の経済をも左右させます。
ルクセンブルクでは、農業従事者、製造業従事者の割合が極端に少なく(どちらもOECD諸国で最下位)、金融業従事者の割合が抜きんでて高いのです。
ルクセンブルクには欧州投資銀行やユーロスタット、欧州会計監査院といった欧州連合における金融関連機関が集中しており、ユーロ圏における金融セクターとしての地位を不動のものとしています。
そして、この金融セクターではおよそ30万人の労働人口に対して7万人近い雇用を生み出し続けており、労働人口全体のおよそ5分の1を構成しているのです。
では、なぜルクセンブルクに金融機関が集中するのか?
ルクセンブルクでは、規制や課税方式などを国内市場とは切り離し、比較的自由な取引を認めた「オフショア(Offshore)」国際金融市場が形成され、税率が低い事業拠点として注目されています。
その結果、企業の持ち株会社や資産管理会社などが本籍をここに置く事も多く、国の産業の約8割が金融をはじめとする第3次産業に集中しているのです。
ユーロ圏におけるプライベート・バンキングの中心地であり、世界的に見てもスイスに匹敵する規模を誇っています。
デイリーテレグラフ紙によれば、金正日の持つ隠し資産の大半がルクセンブルクの銀行に預けられているとも言われています。
(2016.1)